【竹内美樹の口福のおすそわけ158】サラダNo.1企業 後編 竹内美樹


 前号でご紹介した、業務用食品でおなじみのケンコーマヨネーズグループ総合フェアに伺った。食市場の輝く未来を創ることを願い「創“つくる”」というテーマで開催された同フェアでは、グループの顔である「サラダ料理」をはじめ、新商品や業態別メニュー提案などコーナーごとにさまざまな商品が展示され、うれしいことにほとんどが試食できるようになっていた。なるほど、首都圏販売本部の松末豊本部長が「お腹をすかせていらしてください」とおっしゃったワケだ。

 まず目を引いたのが、会場中央の大きな空間に設けられた「サラダ料理マジック」のコーナー。中でも「切り口で魅せる」と題した「アートウィッチ」はとても魅力的で、彩り豊かなサラダ料理を挟んだいろいろなサンドウィッチが展示されている様は、まさにアート。ツナサラダ、マカロニサラダと共に、パプリカや紫キャベツなど色鮮やかな野菜を挟んだアートウィッチは、何層にも重なった美しい切り口が芸術的。タマゴサラダと半熟煮玉子、錦糸卵と共に、鰻の蒲焼き、丸ごぼうの甘辛煮、生姜甘酢漬けなど和テイストの食材を、食パンと海苔でくるくる巻いた「3種のたまごの海苔巻きさんど」の切り口は、中央に配した半熟卵のインパクトが大きく、とても斬新。

 業態別メニュー提案コーナーでは、男女5人の架空人物を設定し、例えば独身女性向けとしてコンビニ商品「彩り野菜のヘルシー和ンプレート」など、業態だけでなくターゲット別の提案がなされ、非常に分かりやすい展示であった。

 全国の旅館ホテルにお邪魔する機会が多い筆者、コレは朝食ブッフェに利用できるかも? と思わず考えてしまう物がたくさんあった。

 はち切れんばかりに具の入ったアートウィッチは、ワックスペーパーで巻いてあるからパンが乾きにくいだろうし、パンでなくご飯で作っても面白い。食材を挟んだトルティヤをミルフィーユ状に何層も重ねたピザケーキなども、ブッフェ会場にあったらウケるに違いない。

 お客さまのSNSへの投稿は一つの宣伝ツールだが、つい写真を撮りたくなったり、「いいね」をしたくなるような「フォトジェニック」な料理には、彩り美しい野菜が欠かせない。

 そればかりではない。野菜をうまく活用すれば、ヘルシーなイメージにもつながる。

 同グループが行ったアンケート調査によると、有効回答数約7千人のうち「普段の食生活で、野菜や果物は足りていると思いますか?」という質問に、「十分足りている」と答えた人はわずか7%、「足りている」が32%で、計約6割が野菜不足を感じており、今後の野菜摂取量についての問いでは、「もっと増やしたい」と回答した人が、全体の約7割に上ったという。野菜のニーズはますます増えることが予想されるのだ。

 大いに参考になった今回の展示会。たくさん試食もして、頭もお腹も一杯になった。ケンコーマヨネーズさん、ありがとうございました。

 ※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。

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